自律訓練法
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自立訓練法の考え方
自立訓練法(Autogenic Training, AT)は、ドイツの精神科医ヨハネス・シュルツによって開発されたリラクゼーション法です。これは、自己暗示を使って心身をリラックスさせ、自律神経を整えるトレーニングの一種です。心と体に「重さ」や「温かさ」を感じることで、副交感神経を活性化し、ストレスを和らげる効果があります。
1、自律神経のバランスを整える
自律訓練法を行うことで、交感神経(緊張)と副交感神経(リラックス)のバランスを調整できます。そして、自律神経を整えることで、不眠・緊張・不安を和らげることにつながります。
- ストレスや不安が続くと、交感神経が優位になり、体が常に緊張状態になる
- 意識的にリラックスを促すことで、副交感神経を働かせることができる
2、言葉の力(自己暗示)を活用する
「~と感じる」と繰り返し言うことで、実際にその感覚が生まれます。また、言葉による自己暗示を使うことで、体のリラックス反応を引き出す効果があります。
- 「右手が重たい」と心の中で唱えると、本当に重く感じる
- 「全身が温かい」と意識すると、体がぽかぽかしてくる
3、身体の感覚に意識を向けることで「今ここ」に集中する
過去や未来にとらわれず、今の体の状態に意識を向け、「今この瞬間」に意識を向けることで、心の負担が軽くなります。
- 「手の重さ」や「温かさ」に集中することで、雑念が減る
- 不安やストレスの悪循環を断ち切り、落ち着きを取り戻せる
4、心と体はつながっている(心身相関)
体のリラックスが、心のリラックスにつながります。また、「体の変化を意識することで、心もリラックスできる」と考えるとよいでしょう。
- 緊張していると、体もこわばる(肩こり・胃痛・頭痛など)
- 逆に、体をゆるめると、心も自然と落ち着く
5、繰り返し練習することで、自然とリラックスできるようになる
初めはうまく感じられなくても、続けることで効果が出ます。また、焦らず続けることが大切です。「うまくできなくてもOK」と思うことが重要です。
- 毎日少しずつ練習すると、短時間でリラックスできるようになる
- 習慣化することで、ストレス対処能力が向上する
自立訓練法の考え方まとめ
「言葉の力」と「体の感覚」を使って、心身を整えるのが自立訓練法の特徴です。
- 自律神経を整え、心身のバランスをとる(副交感神経を優位にし、リラックスを促す)
- 自己暗示を使って体の感覚を変える(「重い・温かい」と唱えることで、実際に感じられる)
- 身体の感覚に集中し、「今」に意識を向ける(雑念を減らし、不安を和らげる)
- 心と体はつながっている(心身相関)(体をリラックスさせることで、心も落ち着く)
- 繰り返し練習することで、自然にリラックスできるようになる(習慣化がカギ)