発達障害とはどのような症状か
発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。そのため、養育者が育児の悩みを抱えたり、子どもが生きづらさを感じたりすることもあります。
発達障害があっても、本人や家族・周囲の人が特性に応じた日常生活や学校・職場での過ごし方を工夫することで、持っている力を活かしやすくなったり、日常生活の困難を軽減させたりすることができます。
生まれつきの特性です
発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれます。
これらは、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害を併せ持ったりすることもあります。
このような発達障害は、各種心理検査によって、どのような状態であるかを認識することも可能です。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害(ADHD)は、「不注意」「多動性」「衝動性」という3つの症状を示す病気です。その程度は人によって様々で、成長とともに症状が変わっていくこともあります。
子ども | 大人 | |
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不注意 |
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多動性 |
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衝動性 |
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ただ、こうした症状があるすべての方がADHDというわけではありません。似た症状をもつ病気は、他にもあります。また、ADHDに他の病気が合併していると、症状の見極めが難しくなることもあります。大人になってからADHDと診断される方の中には、子供の頃からずっとADHDの症状に悩まされていて、自分なりに工夫や対策をしていたけれども、なかなか状況が改善されずに悩んでいた、という方もいます。大学進学や就職を機に、症状が目立ってくることもあります。治療は、環境の調整を行うほか、必要に応じてお薬を使います。
自閉症スペクトラム症
自閉症スペクトラム症は、「対人関係が苦手」「コミュニケーションが苦手」「特定の強いこだわりがある」といった特徴をもつ発達障害のひとつです。以前は、言葉の遅れの有無などによって「自閉症」「アスペルガー症候群」「特定不能の広汎性発達障害」などに分けられていましたが、共通した特性がみられることから、虹のように様々な色が含まれるひとつの集合体として捉えようという動きが出てきて、現在は「自閉症スペクトラム症」と呼ばれています。
対人関係 |
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コミュニケーション |
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こだわり |
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その他 |
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このような特性のために、本人は生きづらさを感じることがあります。一方で、「人の意見に左右されず、課題を遂行できる」といった特性が、むしろその人の強みになることもあります。「高い記憶力」「好きなことへのこだわり」といった特性をうまく利用して、仕事や趣味で充実した生活を送っている方もいます。その人が持って生まれた「個性」ととらえて、生きづらさを軽減しながら、得意なことを伸ばすサポートが大切です。
チック症とは
チックは、思わず起こってしまう素早い身体の動きや発声です。まばたきや咳払いなどの運動チックや音声チックが一時的に現れることは多くの子どもにあることで、そっと経過をみておいてよいものです。しかし、体質的にさまざまな運動チック、音声チックが1年以上にわたり強く持続し、日常生活に支障を来すほどになることもあり、その場合にはトゥレット症とよばれます。
吃音とは
滑らかに話すことができないという状態をいいます。音をくりかえしたり、音が伸びたり、なかなか話し出せないといった、さまざまな症状があります。
*各種心理検査を行うことで発達障害の状況を把握することが可能です。検査をご希望の方は主治医または担当の心理士にご相談ください。